2019年1月12日 - 院長ネルソン

Dr.ネルソンと学ぼう「女性ホルモンと脂肪」

こんにちは!院長の山分ネルソンです!

女性医学の情報に関して、下記の動画を是非ご参照下さい。

https://m.youtube.com/channel/UCDo7QycwRLdN3wbbQwx_nUw

 

突然ですが…身体についた脂肪や体型、気になりませんか!?

今回は、女性ホルモンと脂肪についてわかりやすくお話しします。

脂肪がたくさんついていると、太ってしまうだけでなく、妊娠や月経など女性の身体の機能に大きく影響を与えます。

その中でも女性ホルモンである【エストロゲン】は脂肪の蓄積などのコントロールに関与しているのです。

では、エストロゲンは身体の脂肪をどのようにコントロールするのでしょうか?

◇◆1.エストロゲンの脂肪に対する働き◆◇

脂肪には、皮下脂肪と内臓脂肪と呼ばれる2つの種類があります。

エストロゲンには、皮下脂肪を増やし、内臓脂肪を減らす働きがあります。

◎エストロゲンの働き・増える時期

エストロゲンが増える時期は、次の通りです。

① 思春期
② 妊娠時

①思春期に脂肪が増える理由
思春期は身体に様々な変化が見られますが、その一つに「月経の始まり」が挙げられます。
思春期にエストロゲンの作用により身体に脂肪を蓄積することで、排卵を起こす作用があります。
排卵が起きなければ、生殖能力つまり妊娠することができません。
排卵が起こり、妊娠が可能な身体になるために、身体にある程度の脂肪を溜めておくことが必要になります。

②妊娠した時に脂肪が増える理由
妊娠した時に体重が増える理由は、エストロゲンにより脂肪を蓄積する作用が起こるためです。
妊娠した時に脂肪を蓄積するようになった経緯としては、人間の生活環境による影響が挙げられます。
その昔、人間は狩りなどを行いながら生活していました。
つわりによって十分な栄養が摂れない、狩りによって食料を確保するしかない過酷な環境の中で、胎児が成長できるように脂肪を蓄え、栄養源として使えるように備えていたことが分かります。
また、妊娠中の栄養状態を維持するためだけでなく、お産の際の出血や出産後の授乳など、出産前後に消費するエネルギーが大きくなります。
出産前後のエネルギー消費に備えて、妊娠時から脂肪を蓄えておく作用があるのです。

◎ 妊娠時期と脂肪の蓄積

妊娠すると胎児の成長に伴い、お母さんの体重も増えます。

妊娠末期には体重が10〜12kgほど増えますが、そのうちの1〜1.5kgは皮下脂肪の重さです。

お腹の中にいる赤ちゃんの体重は約3kg、胎盤などの胎児付属物と呼ばれるものが1.5kgほどになります。

妊娠すると皮下脂肪が増えるのは、胎盤から分泌されるエストロゲンの影響であることが分かります。

◇◆2.エストロゲンによる内臓脂肪への影響は?◆◇

内臓脂肪とは、お腹の中にある腸と腸の間を固定して正しい位置に保つ、「腸間膜」と呼ばれる場所に蓄積する脂肪のことです。

女性ホルモンであるエストロゲンは、この内臓脂肪を減らしてくれる作用があります。

◎エストロゲンと内臓脂肪の関係

エストロゲンと内臓脂肪の関係は次の通りです。
• エストロゲンが増えると内臓脂肪が減る
• エストロゲンが減ると内臓脂肪が増える

女性ホルモンのエストロゲンは、分泌が増えると内臓脂肪を減らす作用があります。

逆に、閉経などにより分泌が減ってしまうと、内臓脂肪が増えてしまいます。

例えば、閉経してから腰回りなどの内臓周りの脂肪が増えたと感じる女性が多いのは、エストロゲンの減少が原因です。

◇◆3.内臓脂肪とメタボリックシンドローム ◆◇

内臓脂肪は、メタボリックシンドロームの診断基準としても用いられるものです。

内臓脂肪が蓄積することで、様々な生活習慣病を引き起こすと言われています。

例えば、次のような病気が挙げられます。

• 糖尿病
• 高血圧
• 高脂血症
• 脳梗塞
• 心臓病

いわゆる「成人病」と呼ばれる病気のリスクが高くなるのです。

◎皮下脂肪はメタボにはならない!?

月経を迎えている女性の場合は、エストロゲンの分泌作用により、内臓脂肪が溜まりにくく、その代わり皮下脂肪が蓄積されます。

皮下脂肪はお尻に溜まることにより、女性らしい体型を作ってくれる嬉しい作用もあります。

皮下脂肪も内臓脂肪も同じ脂肪のように思えますが、皮下脂肪の蓄積はメタボのリスクにはなりません。

メタボリックシンドロームは、内臓脂肪によって引き起こされるものです。

◇◆4.閉経後の女性は肥満になりやすい◆◇

肥満とは身体が太った状態のことを表しますが、「女性は閉経後に肥満になりやすい」と言われています。

男性の場合は、年齢に関係なく肥満の割合は一定数見られますが、女性は閉経前後によって割合が変わります。

閉経後に肥満が増加する理由としては、女性ホルモンが大きく関係しています。

◎皮下脂肪は女性にとって必要なもの

女性ホルモンであるエストロゲンは、皮下脂肪を蓄積し内臓脂肪を減らすなど、女性の栄養エネルギー代謝に関わっています。

これらは全て、妊娠するための準備のためです。

女性の身体に皮下脂肪と内臓脂肪が正しい割合で分泌されている方が、栄養状態がよく妊娠しやすいことが分かります。

つまり、多くの女性は太ることが嫌だと感じるかもしれませんが、妊娠しやすい環境を作るためには、必要なプロセスなのです。

思春期が始まると皮下脂肪の蓄積が増え、月経を迎える。

ある程度の皮下脂肪が蓄積しなければ、月経が始まらない。

女性ホルモンと脂肪の関係は、医学的に解明されつつあります。

◇◆5.皮下脂肪を増やすために身体に起こる変化◆◇

女性ホルモンが皮下脂肪を蓄える作用があることが分かりましたが、食事をしなければ皮下脂肪を増やすことはできません。

身体が皮下脂肪を増やすためには、レプチンと呼ばれるホルモンが関係しています。

◎レプチンは食欲に関係しているホルモン

レプチンは、脳の視床下部の食欲中枢と呼ばれる場所に作用し、人間の食欲を調整するホルモンです。

脂肪組織から分泌され、私たちの食欲のコントロールに大きく作用しています。

例えば、体内の脂肪が増えると、レプチンの分泌も増え、食欲中枢に働きかけることで食欲が抑えられます。

逆に、食べる量が減ると体重と共に脂肪組織も減り、レプチンの分泌も低下。

その結果、食欲を増加させる働きが見られます。

◎レプチンとエストロゲンの関係

レプチンとエストロゲンは、レプチンが増えると、女性ホルモンのエストロゲンも増える関係にあります。

身体に溜まった皮下脂肪から放出されたレプチンは、脳内にある視床下部(会社で例えると社長の立場)に作用し、視床下部からゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)を出します。

ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)は、下垂体(会社で例えると専務の立場)と呼ばれる部分を刺激します。

下垂体から卵巣を刺激するゴナドトロピンと呼ばれるホルモンが放出され、卵巣が働き出す。

そして、卵巣からエストロゲンが作られ、排卵や月経が起こるという流れです。

身体にある程度の脂肪を蓄えなければ、月経や排卵が起こらないため、女性にとって皮下脂肪は必要なものなのです。