学生の中絶は同意書が必要?未成年の中絶で知っておきたいこと

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「まだ学生なのに妊娠してしまった…」

「中絶を考えているけど、親に言えない…」

学生で望まない妊娠をしてしまい中絶を悩む方も少なくありません。

特に、中絶を希望する場合は、妊娠週数が進めば進むほど母体への負担が大きくなってしまうため、早い段階での決断が求められます。

未成年の学生であれば、「中絶には親の同意書は必要なのか?」なども一番気になりますよね。

今回は、保護者の同意書の有無や未成年の中絶で知っておきたいことなどを詳しく解説します。

妊娠した未成年の7割以上が中絶を選ぶ現状

未成年で妊娠が判明した場合、7割以上が中絶を選択するというデータがあります。

まだ学生であることも多く、社会人であっても将来に不安を抱いてしまうケースが少なくありません。

妊娠という事態に直面したとき、適切な相談者がいないことも新たな負担となっているようです。

妊娠しているかどうかは、市販の妊娠検査薬を使えば確認できますが、詳しい状態については簡単に判断できません。

問題がないようにみえても、子宮外妊娠をしている可能性もあり、放置しておくと大量出血を招く危険性や中絶手術ができない妊娠22週以降になってしまうケースもあります。

どんな選択をする場合でも、まずは早めに産婦人科を受診して、正常な妊娠であるかどうかを確認することが大切です。

中絶にはリミットがある

妊娠したらいつでも中絶ができると思われがちですが、中絶手術ができるリミットが決まっています。

中絶手術が行える期間は、妊娠22周未満であり、妊娠22周以降は中絶手術を受けることができません。

また、妊娠12周未満の妊娠初期であれば日帰りでの手術も可能ですが、妊娠週数が進めば進むほど手術の負担が大きくなります。

未成年の中絶手術には親の同意書は必要?

中絶を考えている未成年の学生の中には、「親にバレずに中絶をしたい」と考えている方もいるかもしれません。

法律上、保護者や親の同意は不要になりますが、多くの病院では同意書の提出が求められます。

ここでは、中絶手術の際に必要になる同意書について詳しく見ていきましょう。

法律上、親の同意は不要

中絶手術には母体保護法と呼ばれる法律が深く関係しています。

これは、「不妊手術および人工妊娠中絶において、母体の生命健康を保護するために定められた法律」です。

母体保護法では、たとえば「人工妊娠中絶手術は、指定医師以外は行うことができない」「中絶手術が行えるのは、妊娠22週未満」といったことが定められています。

このほか、さまざまな事項が細かく定められていますが、“親の同意の必要性”については触れられていません。

つまり、法律上は親の同意がなくても、本人と相手がサインした同意書のみで、中絶手術が受けられることになります。

しかし、未成年の場合は多くの病院が親の同意を求めており、相手も未成年だと双方の親の同意が必要になることもあるようです。

同意書の提出が必要な病院が多い

法律上は同意書の提出は不要になっていますが、多くの病院では同意書の提出を求めています。

そのため、中絶手術を行う際は同意書の提出が必要になることが多いです。

同意書の提出が必要な理由については、次の項目で詳しくご説明しますね!

多くの病院で親の同意が必要な理由

法律で定められていないにもかかわらず、なぜ、親の同意が求められるのでしょうか。

次の3つの理由について詳しくお伝えします。

1.手術のリスクに備えるために

まず考えなければならないのが、手術のリスクです。

中絶手術においては、麻酔によるアレルギーのほか、子宮に穴が空く子宮穿孔(しきゅうせんこう)、子宮内感染などの合併症が起こる可能性もあります。

こうした事態が発生した場合、未成年者だけで対応するのは非常に難しいため、親の同意を得たうえで、病院は万全の体制を整え手術を行うのです。

裏を返せば、親の同意を求める病院ほど信頼できるともいえるでしょう。

中絶という選択は、とても大きな決断です。望まない妊娠をした場合、親や第三者に相談するのは容易なことではないかもしれません。

しかし、手術には必ずリスクが伴うことを心に留め、親の同意を得て万一の事態に備えることがとても大切なのです

2.身体と心のフォローのために

中絶手術は大きく2つに分けられます。ひとつは妊娠11週6日目までに行う「初期中絶」、もうひとつが妊娠12週以降に行う「中期中絶」です。

初期中絶の場合は、順調にいけば手術自体は20~30分程度で終了し、その日に帰宅することができます。

ただし、術後2〜3日は安静にしていることが望ましいといわれており、状態次第では入院が必要になることもあります。

親の同意を得ていないと、帰宅できたとしても、なんとか通常通りの生活を送ろうとして身体にも心にも大きな負担をかけてしまうかもしれません。

中期中絶の場合は、手術に3~4時間以上かかり、入院も必要になります。安心して手術に臨むためにも、術後の負担を少しでも減らすためにも、親のサポートを受けられる状態が望ましいでしょう。

中絶の期間と手術に関しての詳しい記事はコチラ▼

人工妊娠中絶の期間は妊娠22週未満まで|中絶期間とリスクについて

3.金銭面の負担を抱え込まないために

中絶手術は健康保険の適用外となるため、金銭的な負担も大きくなります。

突然の出来事にうまく向き合えず、費用を準備できるような心身の状態でないこともあるでしょう。

妊娠期間が長くなればなるほど、中絶手術による母体への負担は大きくなってしまいます。

経済的な理由で決断できず週数が進んでしまったということがないよう、まずは、親に相談してみましょう。

中絶手術は、心にも大きな影響を与えることがあります。

カウンセリングが必要となるケースもあり、そうなるとさらに費用がかかります。

中絶手術は想像以上に負担がかかることを考え、親の同意を得たうえであらゆる事態に備えましょう。

中絶手術の費用に関しての詳細はコチラ▼

人工妊娠中絶にかかる費用は?初期・中期の費用を解説!

1人で悩まず相談することが大切

不安なことが多い未成年の妊娠。

親のサポートを受けることで心身の負担は軽くなり、不測の事態にも備えられるでしょう。

勇気がいるかもしれませんが、妊娠に気付いたら、まずは親に相談し、できれば、一緒に産婦人科へ行くことをおすすめします。

この記事を書いた人

山分 ネルソン 義興
山分 ネルソン 義興医療法人志希会 希咲クリニック院長
大阪の中心からほど近い十三にある「希咲クリニック」の院長として、女性の医学と予防に努めています。マレーシア出身で使用言語は、英語・中国語・マレー語・日本の4ヶ国語。

産婦人科専門医として、「正しい医学知識を伝えたい」との思いからメディアやイベントを開催するなど医師以外の分野でも活躍中です!
産婦人科専門医・日本薬剤師免許・日本抗加齢医学会専門医